アパート経営において、オーナーが抱える最も大きな課題のひとつとして「空室」が挙げられます。
不動産収益を得たいオーナーは、さまざまな方法で空室をなくし、満室に近い状態で運営しなければなりません。
しかし、なかには間違えた空室対策を行ってしまったことによって、期待した収益が得られないオーナーがいらっしゃいます。
本記事では、やってはいけない空室対策について、理由とあわせて解説します。
家賃相場に合っていない家賃設定
やってはいけない空室対策のひとつとして、家賃相場に合っていない家賃設定が考えられます。
空室の要因には、アパート経営を行う際に周辺のアパートの相場に合っていない家賃に設定していたことがあります。
同じ立地・建築様式だった場合、多くの入居希望者は可能な限り家賃が低い物件を借りようとします。
そのため、家賃が高い物件は残ってしまう可能性が高く、結果として空室リスクが高くなる傾向にあります。
家賃の値下げ
しかし、空室対策として周辺の物件よりも家賃を下げる際には注意が必要です。
家賃の値下げは簡単にできる空室対策ではありますが、その分収益が減額してしまいます。
また、家賃を下げることによって入居者の質が低下してしまう可能性が考えられます。
これまで静かに暮らすことができた住民のなかに、生活態度が良くない方が入室してしまうと、退去者が増加する可能性があります。
一度値下げした家賃はなかなか値上げすることができないことから、安易に家賃の値下げをするべきではないと言えます。
費用対効果に合わない安易なリフォーム・リノベーション
空室が発生する要因のひとつとして、室内外の老朽化が挙げられます。
ほとんどの場合、入居希望者は対象となる物件の下見を行いますが、老朽化が進行した物件にはなかなか入居者が集まりません。
そのような場合、不動産オーナーはリフォームやリノベーションを行い、入居者を集めます。
しかし、なかには高額なリフォーム・リノベーション費用を回収できなかったというオーナーがいらっしゃいます。
リフォームやリノベーションは行えば空室を回避できる可能性は高くなりますが、その分多くの出費が発生します。
そのため、リフォームやリノベーションを行う際は、入念に収支を計算する必要があります。
空室を埋めるためだけの入居条件の変更
やってはいけない空室対策として、空室を埋めるためだけの入居条件の変更が挙げられます。
入居条件には下記のようにさまざまなものが含まれており、それぞれオーナーの収益と入居者の質を向上させることが目的です。
- ペットの可否
- 外国人国籍の入居
ペットの飼育を了承してしまうと、異臭や騒音などによって既存の入居者との間にトラブルが発生する可能性があります。
また、外国人国籍の方の入居を許可した場合、家賃が未納なまま帰国してしまう可能性を考慮しなければなりません。
このように、安易な条件変更は既存の入居者との間にトラブルが発生する要因となります。
そのため、条件を変更する際は不動産の管理会社など関係者との間で、入念に打ち合わせを行いましょう。
空室の部屋を放置している
先述の通り、入居希望者は物件を見学してから部屋を決めます。
そのため、不動産のオーナーはいつ・誰が来てもいいように常に部屋をキレイにしておかなければなりません。
ホコリが溜まっていたり、キズが付いていたりする物件を見た入居希望者は、そこに住もうとは思わないものです。
「何もない・誰も住んでいないから、しばらく掃除をしなくても良いだろう」と思われるオーナーは少なくありません。
実際に、未使用の部屋でも長時間放置していると、徐々にホコリや汚れが蓄積されてしまいます。
また、夏場など湿気が多い季節に換気を怠ると、いたるところにカビが生えてしまう可能性が考えられます。
どのような物件であっても、管理を怠ってしまうとさまざまな劣化が進行してしまいます。
キレイな状態でお客様を迎え、賃貸借契約が締結したあとに改めてハウスクリーニングを行うなど、賃貸物件は管理が重要です。
このように、不動産オーナーは空室対策のために、さまざまな管理を行わなければなりません。
しかし、管理方法や集客方法を間違えると、収益が下がってしまい、赤字経営に陥ってしまう可能性が考えられます。
そのため、不動産オーナーは「何をするべきか」と同時に「何をしてはいけないのか」を考える必要があります。
おわりに
本記事では、不動産オーナーがやってはいけない空室対策についてご説明しました。
下記、やってはいけない空室対策です。
- 家賃相場に合っていない家賃設定
- 家賃の値下げ
- 費用対効果に合わない安易なリフォーム・リノベーション
- 空室を埋めるためだけの入居条件の変更
- 空室の部屋を放置している
空室が発生した場合、何をするべきか・何をしてはいけないのかを入念に考えてから行動に移しましょう。